2017.10.30 23:00声に出してあいうえおひらがなを覚えるために、五十音表を壁に貼って活用されているご家庭も多いと思います。お風呂に貼るタイプも市販されていますね。五十音表をなんとなく見ながら、自然に近い形で読めるようになったり、「これはなんて読むの?」と興味を持ってくれることを期待して、親は貼っているのですが、表には今ひとつ興味を示さない子どももいるかもしれません。また、少し大きくなってから日本語の読み書きをゆっくりと始めたケースなど、「ひらがなあいうえおひょう」と妙に子供っぽい絵がついている五十音表では、食いついてくれない場合もあります。日本に住む子どもにとっては「あいうえお」はごく幼い頃に接するものなので、あいうえお表やあいうえおの絵本などは、幼児向きの作りになっている商品がほとんどです...
2017.10.29 23:00ぬり字であそぶ日本語を少しでも読んでもらうためには、図鑑でもマンガでもOKにするように、少しでも日本語の文字に親しんでもらうために何かないかしらと探している時に見つけました。書き取り練習や硬筆練習では、お勉強っぽさが満点ですが、これはぬり絵のように遊びながら文字を見つける仕組ですので、楽しみながら文字に親しめるところが良いと思います。書くのではなく、色を塗るというのも、子どもにとっては楽しい要素だと思います。そこそこお値段がしますので、一度塗ったら終わりというのは勿体ない感じもしますが、漢字だけなら学年別でドリルのようになっているタイプも出ています。
2017.10.27 22:00リーディングスキルテストhttp://www.nii.ac.jp/userimg/press_20160726-1.pdf読解力は、日本語学習の中でも漢字と同じくらい話題になる分野です。日常会話は問題なくやり取りしているようでも、読解問題が苦手というケースは往々にしてありますし、なぜこんな簡単な文章の意味が分からないの?とびっくりすることもよくあります。日本に住んで日本語だけで育つ子どもでもそうなのですから、海外に住んで日本語に接する時間が圧倒的に少ない環境で育つ子どもなら、なおさらです。また反対に、在住国で生まれ育ち幼稚園からずっと現地語で教育を受けたから、現地語はネイティブだ、現地語の学習には問題がないと思っていても、読解力や語彙、表現力などについて小学校の担任の先生から...
2017.10.21 22:00赤ちゃんは音声や動画から言語を習得できない「赤ちゃんは言葉を聞いて覚える、習得する」と言われますが、音声や映像だけからでは言語を習得できないという研究結果があります。 また、聾の両親が健聴の子供に手話で話しかけずTVを見せるだけであった結果、言語が十分に発達していなかった子供が発見された、という言語学で有名な事例もあります。 4週間の後に中国語音素の聞き取りテストをしたところ、映像を見たグループ、音声を聞いたグループは中国語を全く聞かなかった英語セッショングループと同成績だったという結果もあります。 つまり、乳児は、対人では極めて短期間で第二言語の音素を学べますが、CD・DVDからは学べないという結果になります。親が乳児の頃から言葉をかけ続けることは、やはり意味...
2017.10.19 22:00漢字であそぶ ととあわせ日本語学習で親も子も一番苦しい思いをする手強い存在は、やはり漢字でしょうか。楽しく漢字をおぼえて欲しいと思っても、毎日の漢字ドリルや書き取りテストのプレッシャーで、子どもは早々と漢字が嫌になってしまうことも少なくありません。漢字=ドリルとテスト=もういやだ〜!おぼえられない!になってしまいがちで、漢字の持つ面白さを示してあげることが海外在住の生活では難しいことも事実です。漢字カルタなどもありますが、こんな遊びも興味を持ってもらえる一助になればと思います。漢字は嫌いでも、お寿司は大好きな子どもは多いでしょうし、日本でお寿司屋さんに行けば、魚へんの漢字がいっぱいあることに気付いたり、魚へんの漢字が書いてあるお湯のみが海外でも売っていたり、魚の漢字は漢字の中...
2017.10.18 22:00カズオ・イシグロノーベル文学賞受賞に寄せて大変興味深く読んだインタビュー記事です。特に日本国籍と日本語についての話は、他人事ではないうえに、印象的でした。私の娘も幼児の頃に日本語を諦めたとしたら、きっと彼のようなアイデンティティを持ったでしょうし、日本語も習得して育ったからと言って彼の心が理解できないわけではないはずです。言語とアイデンティティの確立には、やはり育った環境と教育が一番大きく影響すると思いますが、親の態度は一切関係ないとも言えないこともひしひしと感じます。そして、何語を第一言語として育っても、深い思考力を手に入れるだけのきちんとした教育と学力が大切であることも、やはり彼を見ていると強く感じます。日本の報道は、彼が日本人であるか否かが話題の中心のようですが...
2017.10.16 22:00はっけんずかん子どもは図鑑を見るのがとても好きですし、絵を見ながら名前を覚えたり、語彙を増やしたりするきっかけにもなります。少し長いお話の絵本だと、読み聞かせの途中で集中力が途切れてしまうような子どもの場合は、ストーリー性がない図鑑を使って、まず語彙を増やすのも一案です。特徴のある子ども向けの図鑑は各種出版されていますが、こちらもおすすめのシリーズです。ページに加工があり、窓を開くようにしてパタパタすることで、仕組や変化がわかる工夫がされている図鑑です。図鑑でも、ササーッとページを繰るだけで表面的にしか見ない子どももいますが、窓を開けることで「どうなるかな?」「なにがあるかな?」と興味を持たせることができますし、自分でパタパタすることで飽きずに読み進められるように思...
2017.10.14 22:00漢字 マンガでおぼえる小さく書かれた筆順を目で追うのが大変な子どもや、1画毎に書かれた筆順のマス目を見るだけでやる気を失うような子どもには、こういうアプローチもあると示してくれている本です。漢字1字が筆順付きでページに大きく書いてあり、声を出しながらそれを指でなぞることで書き順を記憶に残りやすくさせる工夫がまず第一のポイントです。各漢字の熟語も多めに載っていて、漢字を熟語でおぼえ、使える、読めるようにする工夫もあります。(意味は書いてないので、辞書で調べて熟語の意味もセットでおぼえるのがよいと思います)1コママンガがあり、文章だけなら読んでくれそうにない子どもでも抵抗なく読めるようにもなっています。普通の漢字ドリルや漢字練習帳ではいまひとつという場合は、このような工夫のある...
2017.10.12 22:00幼児と話す幼児の言語発達について、親が幼児語を使って幼児と1対1で話すことが、言語の発達に大変重要であるとされる研究論文です。海外在住で、親以外に日本語を話す人が身近にいない環境で子どもを育てる場合なら、親が話しかけることがより一層重要になってくるのだろうと思いながら読みました。日本語の幼児番組やDVDは、子どももじっと見てくれるので、忙しい時は助かることもあって、ついだらだらと見せてしまうことも多いのですが、言語習得の基本は親と子の1対1の会話にあることはやはり間違いないように思います。そして、幼児語を使ってという指摘も、たいへん興味深いポイントでした。幼児語というのは、はっきりと、短い言葉で、抑揚やイントネーションのピッチを強調し、表情なども大げさにして話す...
2017.10.10 22:00「移動する子どもたち」「移動する子どもたち」とは、幼少期に複数言語を使用する環境で成長した子どもたちを指し、それらの子どもたちのことばの教育について、論文、書評、エッセイと色々な形で書かれたものをどなたでも無料で読むことができます。海外で子どもの日本語と向き合っている親にとって大変興味深く、参考になる内容が多いと思いますので、ご興味のある方はどうぞお読みください。
2017.10.08 22:00おいしいおと「たべもの」を主題にした絵本は色々あり、子どもに人気がありますが、この絵本もおすすめの一冊です。おいしそうな絵だけでなく、おいしそうに聞こえる音を表現した絵本で、いろいろな擬音語だけで、まるで自分も食べているかのように伝わってきます。声に出して読んで楽しむだけでなく、お食事時にこの絵本のようにおいしい音を感じながら食べてみるのも楽しいですね。日本語独特のオノマトペの豊富さとその描写力が生かされた絵本だと思います。