小さく書かれた筆順を目で追うのが大変な子どもや、1画毎に書かれた筆順のマス目を見るだけでやる気を失うような子どもには、こういうアプローチもあると示してくれている本です。
漢字1字が筆順付きでページに大きく書いてあり、声を出しながらそれを指でなぞることで書き順を記憶に残りやすくさせる工夫がまず第一のポイントです。
各漢字の熟語も多めに載っていて、漢字を熟語でおぼえ、使える、読めるようにする工夫もあります。(意味は書いてないので、辞書で調べて熟語の意味もセットでおぼえるのがよいと思います)
1コママンガがあり、文章だけなら読んでくれそうにない子どもでも抵抗なく読めるようにもなっています。
普通の漢字ドリルや漢字練習帳ではいまひとつという場合は、このような工夫のある本も使ってみるのも一案です。
漢字は、何回も書いて練習しても次の日には忘れている、もっと書かせる、だからもっと嫌になるという悪循環に陥りやすく、漢字が嫌になると日本語アレルギーになりやすいので、日本語学習の中でも特に工夫を必要とするポイントだと感じています。
日本で小学校に通っていれば、漢字の書き取りテストが苦手でも、毎日日本語の教科書を読み、黒板を見てノートを書く、登下校時に日本語のポスターや看板を見るということを自然にしていますが、海外の生活ではそれらはほとんど望めません。
漢字1字ずつを見て書いてちゃんと覚えろと言われても、海外の子どもは簡単に忘れてしまう環境にいることを親も意識して、なるべく記憶の手助けになるような教材や本なども活用してみてください。書く練習を強要しがちですが、まず読めることが大事であることも忘れないようにしてみてください。
海外に住んでいる以上、自然に漢字を覚えることはあり得ませんので、何らかの努力と工夫は必要ですが、子どもの特性や能力に合わせて教材や練習方法を見つけ、苦行にならないように漢字に親しんでもらいたいと思っています。
新出漢字の数も増え、画数の多い漢字になってくる2、3年生からの漢字の勉強には、この本の工夫は結構役立つように思います。
どのようなページ作りになっているかは下記から少し見ることができますので、参考になさってください。
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