カズオ・イシグロ

ノーベル文学賞受賞に寄せて大変興味深く読んだインタビュー記事です。

特に日本国籍と日本語についての話は、他人事ではないうえに、印象的でした。

私の娘も幼児の頃に日本語を諦めたとしたら、きっと彼のようなアイデンティティを持ったでしょうし、日本語も習得して育ったからと言って彼の心が理解できないわけではないはずです。

言語とアイデンティティの確立には、やはり育った環境と教育が一番大きく影響すると思いますが、親の態度は一切関係ないとも言えないこともひしひしと感じます。

そして、何語を第一言語として育っても、深い思考力を手に入れるだけのきちんとした教育と学力が大切であることも、やはり彼を見ていると強く感じます。

日本の報道は、彼が日本人であるか否かが話題の中心のようですが、日本国籍を持っていなくても、日本語話者でなくても、日本に特別な感情や思い出を持つ人は他にもきっとたくさんいるはずです。

いろいろな事情、環境、境遇、様々な親の判断と決断があると思いますし、言語と国籍と人種が複雑に組合わさっていたり、幼児期に第一言語が入れ替わっていたり、そして、多重国籍を認めていない日本の現状も考え合わせることで、複雑な思いを抱いて育つ子どもが世界中にいることを理解してこそ、継承語教育も深くなるとやはり思います。












こどもの にほんご

nipponica イタリア・ボローニャ 幼児からの継承日本語クラス