2017.05.30 22:00度合いの絵本色々な様子の度合いを表す言葉を3段階で絵と一緒に見せてくれる絵本です。例えば、髭のはえ具合の「つるつる」「じょりじょり」「もじゃもじゃ」をパパの顔がどんどん髭が濃くなる様子で描き、小さな子どもにもその言葉の表す度合いがわかるようになっています。子どもは、「いっぱい」と「ちょっとだけ」は、割と早くにイメージとしてつかむことができますが、3段階の微妙な違いをわかるように説明するのは結構難しかったりしますので、このような絵本も便利だなと感じました。子どもの語彙を増やし、表現を豊かにするためには、文字を意識する前にいろいろな言葉として教えてあげることも大切に思います。ひらがなが読めるようになった子どもがゆっくり読んでも、楽しい絵があるので理解しやすく、楽しめま...
2017.05.29 22:00熟語であそぶ熟語を作って遊ぶ漢字カードゲームです。限られた枚数の中で結構いろいろな熟語が作れるようになっていて、小学校低学年から遊べます。手持ちのカードで熟語を作る基本の遊び方の他にも、いろいろな遊び方ができます。漢字1字ずつは読めても、熟語になると読めないことはよくありますので、熟語をおぼえることは漢字の勉強の大事なポイントです。ゲームで遊びながらでも、漢字と語彙を増やしてみてください。この他にも、四字熟語や反対語の漢字ゲームや、漢字のへんとつくりのカードを組み合わせて漢字を作るゲームなど、漢字を使って遊べるゲームが色々ありますので、子どもが勉強した知識を使って楽しい時間を過ごす工夫をしてあげてください。
2017.05.28 22:00語彙のドリル語彙を増やすための小学生向け問題集は各種出ていますが、基本的に日本の中学受験を念頭に、国語の成績アップを狙ったものですので、海外で育つ子どもには少し難易度が高いものが多いように感じます。その中でもこれは比較的低学年向きで易しいものから段階的にレベル分けしてあり、ページの構成も見やすくて、取り組みやすいものの一つです。問題を読んで線で結ぶ、穴うめをする解答形式ですので、書くことを億劫がる子どもでも負担になりません。1ページに問題が6問と少なめなのも、子どもに威圧感を与えなくてよいと思います。海外で育つ子どもには、生まれて初めて聞くような語彙もあると思いますので、このような問題集で一通り勉強することはやはり大切です。マンガ形式やクイズ形式など語彙を増やすた...
2017.05.27 22:00シュールでおもしろい絵本ひらがなだけで割と短い文ばかりなので、ひとり読みを始める頃の子どもにもぴったりの絵本です。モノクロと黄色だけの地味な色使いの挿絵で、不思議なお話ですが、予定調和に終わらない結末や、ドキドキする展開もあり、楽しく読めます。よく考えると、ちょっとブラックなお話なのですが、ほんわかした雰囲気でクスッと笑える味付けになっています。最後まで読んだらもう一度読みたくなりますよ。
2017.05.26 22:00パンの絵本浮世絵の手法と同じ木版画で描かれたいろいろなパンの絵が本物みたいで、とても美味しそうな絵本です。やわらかい色調のあたたかい絵がとても素敵で、買ってしまった絵本の一つでもあります。パンは西洋のものですが、日本にしかないパンもいろいろあって、その懐かしさに、読んでいるとお腹が鳴ってしまいそうになります。「日本でこのパン食べたね、おいしかったね」「わたしは○○パンが好き。ママは?」と親子で会話も弾みそうな楽しい絵本です。大変すっきりとした構成の絵本で、文字も少なく、ひらがなとカタカナを読み始めた子どもが拾い読みするのにも丁度良い絵本です。シリーズに「ケーキ」と「コロッケ」もあり、そちらもとても美味しそうです。
2017.05.25 22:00敬語国語教科書では小学校5年生の単元で「敬語」が出てきますが、海外に住み、ほぼ家庭内でしか日本語を使わない環境に育つ子どもには、上手に導入しにくいのが現実です。実際に敬語を使う場面が余りない以上、実践はなかなか難しいですが、「こういう時はこう言う」というポイントだけでもしっかり教えてあげられると良いなと思います。サザエさんのようない色々な年代と職業の男女が登場するアニメは、会話の中で結構敬語が出てきますので、便利です。その他には、マンガ形式で楽しく敬語の使い方を理解できる本があります。手前味噌ですが、娘はこのちびまる子ちゃんの敬語の本で敬語を理解しました。そして、親子の会話の中で、例えば「先生が○○って言ってたー」「○○君のおかあさんがこれくれたー」と子ど...
2017.05.24 22:00日本語で考える正確に文章を読み取る読解力と、数学の理論的な考え方の両方を使うパズル形式の問題集です。一つ一つの文章は短いので、小学校1年生くらいの識字能力があれば、充分楽しめます。本を読みなさいと言っても嫌がる子どもや、ドリルや問題集のような勉強然としたものから逃げる子どもでも、パズルなら面白がってやってくれそうです。子どもに日本語で考えて解く練習をさせるのに、読解の問題集をいきなり与えるのでなく、このようなクイズ形式の問題集から少しずつステップアップしていくと良いのではと思います。
2017.05.23 22:00回文の絵本ひらがなを読めるようになった頃に、ことば遊びをしながら楽しく読める絵本です。絵があるので文字だけの本より理解しやすく、まだ文字が読めない子どもも読んでもらって一緒に楽しめます。回文の他にも早口言葉や数え歌など、日本語のおもしろさを楽しむ絵本は色々ありますので、物語だけでなく、このようなことばのおもしろさを主眼に置いた絵本も楽しいものです。特にひらがなをおぼえ始めの頃に、音韻理解のためにこのようなことば遊びの絵本が役に立ちます。おもしろい文は、子どもも喜んで読んでくれますから、ひらがな50音表を機械的に読ませるだけでなく、このような絵本を活用するのも一案です。回文の楽しさを親子で味わってみてください。
2017.05.22 22:00継承語について考えてしまう本表題作は、アメリカで育つ少年と英語が満足に喋れない中国人の母親の物語です。著者は中国系アメリカ人で,子どもの頃に親と一緒にアメリカへ移民した人のようですから、きっと自身の経験もあって、このようなストーリーを考えたのかもしれません。中国から来た母とアメリカ人の父の間に生まれた少年は、成長するにつれ満足に英語が喋れない母親と距離を置くようになってしまい、病であっけなく亡くなった母の書き残した中国語の手紙を人に読んでもらって,母親と近かった子供の頃を思い出します。彼には読めない漢字を指でなぞるというシーンがあって、漢字を読み書きし、異国で母である自分を考えずにはいられませんでした。
2017.05.21 22:00日本語継承を支えるもの 論文と呼ぶよりはインタビューからの考察と呼んだ方が良いのかもしれませんが、それほど結論がまとまっているものではないのですが、大変興味深く読みました。国際結婚家庭の日本語継承についての親と子の心理的な面が、聞き取り調査からわかります。 親でも子供でも、当事者は皆きっとこのような気持ちだろうと実感しています。 21歳(調査当時)の娘さんの言葉は、今はまだ小さいお子さんの日本語と向き合っている方に、きっと参考になるのではと思います。国際結婚家庭の日本語継承を支える語り スイスの日本語学校における長期学習者と母親への聞き取り調査から 渋谷真紀(奈良教育大学准教授)
2017.05.20 22:00消せるボールペン海外では日本のドリル類は簡単に手に入りませんから、家庭でコピーを取って何回か繰り返し練習させたり、上の子の使ったドリルを消しゴムで消して下の子にも使ったりと、色々と涙ぐましい努力も必要です。イタリアでも販売されている「消えるボールペン」フリクションボールは、摩擦熱でインクが消える仕組です。このフリクションボールで書いた字は、ドライヤーの温風を当てると、擦る必要もなく一気にきれいに消すことができます。筆圧が強いと多少跡が残りますが、消しゴムで消す苦労の何倍も速く元の白紙に戻せます。もう一度同じドリルを使いたいとお考えの場合は、最初からこの消せるボールペンで書くようにすると、ドリル再利用の裏技が楽になります。小学校1年生はまだ鉛筆の持ち方も定まらず、書きや...
2017.05.19 22:00漢字は熟語で漢字は、新出漢字を1字ずつおぼえるだけでなく、できるだけ熟語も一緒におぼえてしまうのが、結局一番確実で実用的だと感じています。一年生は、新出漢字は80字でやさしい漢字が多く、熟語も限られていますが、それでも、例えば「男」「女」「子ども」が読めても、「男子」「女子」が読めないことはよくあります。特に、海外で育つ子どもは日本語に触れる機会が少なく、家庭内の日常会話がせいぜいですから、「男の子」という言葉は出てきても、「男子」は日常会話にはあまり出ない言葉ですから、そう言う面でも弱いのだろうと感じています。日本語を話す親が、意識して難しい表現や漢語を使って会話したり、日本語で辞書を引いたり、本を読んだりしない限り、なかなか熟語の知識は増やせません。一般的な漢...