新学期が始まり、現地の学校のことだけでなく、お子さんの日本語の発達やこれからの日本語学習についていろいろな不安やプレッシャーなどを感じておられる保護者も少なくないかもしれません。
現地の幼稚園や小学校に入り、日に日に現地語優位になってくるのを目の当たりにするという場面は、私にも経験があります。
継承語教育の場合、日本語話者の親がたった一人で我が子の日本語に向き合うことになるケースが多く、親の不安やプレッシャーは募りがちです。
日本語学習というと、ひらがなの読み書きをスタートと捉える方も多いのですが、子どもの場合は、文字の読み書きよりずっと大切なことがあります。
可能な限り日本語の発話、語彙の知識を育てておくことが、後々の日本語学習の土台になるからです。
とは言え、周囲は現地語話者ばかりで、子供と日本語で話すのは片親だけ。気軽に一緒に遊ぶ日本語を話すお友達もないという環境では、一体どうしたものかと途方に暮れてしまうのも当然です。
この本は、言語聴覚士の方が書かれた本で、赤ちゃんの言葉の発達を促すような遊びや、親からの言葉かけを豊富なイラストと共にわかりやすく年齢別に解説してあります。
子供との手遊び、お歌など、最終的には同じようなことを目的にした子育てのガイド本も数多くありますが、こちらはもっと具体的でわかりやすく実践しやすいように感じました。
海外で育つお子さんなら、この本の月齢より大きくても、色々とヒントになることが多いと思います。
一緒に親子で遊ぶ時間も、まだ発話がない頃から日本語で言葉かけをすることで、日本語を育てる良い機会になりますので、ぜひ参考にしてみてください。
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