2024.11.13 23:00ねずみさんのパンツ有名な「しろくまのパンツ」に続く第二作の絵本です。主人公がねずみなので、本の大きさも小さくなっているのも面白いです。子ども達はしろくまのお話を知っているのですが、それでも皆わくわくして楽しそうに聞いていました。ページをめくる楽しさとこれは誰のパンツかなと当てっこする面白さ、安定のオチで、とても楽しい絵本です。
2023.05.05 22:00にほんごをまなぶえほん幼児への読み聞かせとして使うのではなく、教科書やドリルではないものを使って、もう少し気軽に日本語の文法的要素をインプットしたい時に使えるかもという印象を持ちました。外国人向け初級日本語教科書とほぼ同じ内容で、親しみやすいたくさんの絵で子供向けにしたものと考えてください。何度も繰り返し読んであげることで、ある程度のインプットは望めると思いますが、お話として面白い起承転結があるわけではないので、子どもによっては飽きやすい可能性があります。絵本と言うよりは、絵の多い子供向け日本語教科書でしょうか。この絵本を教科書のように使って、絵を見て理解し、口頭で練習をして、ある程度日本語を使えるようになってから、読み書きは別の教材を使うのが良さそうに思いますが、日本在住...
2023.02.15 23:00しかけえほん食べ物を題材にした絵本は、男女を問わず興味を示してくれますし、絵本を見ながらの会話も弾みます。精密なタッチでおいしそうな食べ物やお料理ができるところを描いた絵本も何冊か持っていますが、最近購入したこの絵本も、皆とても興味津々で見てくれました。ページの一部がめくれるようになっている仕掛け絵本で、にんじんの皮をむいたり、トマトを刻んだりといろいろな変化を実際に楽しめます。本物の野菜で皮剥きをしたり、料理をしている様子を側で見せたりするのが一番良いのかもしれませんが、食事の支度の最中には難しいことも多いので、このような絵本は擬似体験でき、とても楽しそうでした。文章もオノマトペが多く、絵を動かしながら臨場感たっぷりに楽しめます。やさい、くだもの、お花、お料理、...
2022.11.20 23:00絵本「こんとごん」教室で子どもたちに読む絵本は、家庭で親が子に読み聞かせするのとは違った視点で選ぶものもあります。家庭での読み聞かせは、夜寝る前や親も子も時間のある時などリラックスした気持ちの時に読むことが多いと思いますが、教室では皆と一緒ですので、ワクワクできるお話や、ゲラゲラ笑える絵本、ちょっと日本語の知識にもヒントになって、自分の学んでいることにつながるような絵本なども便利なことが多いです。また、お化けのお話なども、皆と一緒に聞くとまた違う面白さ、楽しさがあるようです。何年経っても古臭くならない永遠の定番のような名作絵本ばかりではなく、最近出版された絵本もできるだけ選ぶようにしています。子どもたちは今を生きていますので、名作も大切ですが、最新の面白さも一緒に味わう...
2022.09.21 22:00ことばをひきだすために新学期が始まり、現地の学校のことだけでなく、お子さんの日本語の発達やこれからの日本語学習についていろいろな不安やプレッシャーなどを感じておられる保護者も少なくないかもしれません。現地の幼稚園や小学校に入り、日に日に現地語優位になってくるのを目の当たりにするという場面は、私にも経験があります。継承語教育の場合、日本語話者の親がたった一人で我が子の日本語に向き合うことになるケースが多く、親の不安やプレッシャーは募りがちです。日本語学習というと、ひらがなの読み書きをスタートと捉える方も多いのですが、子どもの場合は、文字の読み書きよりずっと大切なことがあります。可能な限り日本語の発話、語彙の知識を育てておくことが、後々の日本語学習の土台になるからです。とは言え...
2022.05.06 22:00絵本 おとがいっぱいたくさんのオノマトペが出てくる絵本です。ことばの図鑑のようにオノマトペを絵で解説してあるものとは少し違い、ストーリー仕立てになっているので、小さい子どもでも読み聞かせで楽しめます。日本語のオノマトペは種類が多く、大人になってから意味を暗記するよりも、体感で理解した方が身につきやすいのでので、なるべく早くから提示しています。いろいろな動きや様子、感情をオノマトペで表現してあるので、、子ども達は絵を見ながら楽しそうに見てくれていました。カラフルな絵もとても可愛らしくて、おすすめです。
2022.04.18 22:00絵本でしりとりしりとり遊びは、道具も準備も必要ありませんし、子どもの頃に気軽に楽しんだ方も多いと思います。ところが、海外で育つ子ども達にはしりとりは案外難しく、思ったほど楽しめないことがあります。知っている日本語の語彙が少ないので、次の言葉を思いつかなかったり、同じ単語しか出てこなかったりといった場面が続き、遊びのテンションが下がってしまいがちです。ひらがなを覚えたから、さぁ一緒にしりとりで遊ぼうと思っても、なかなか難しいと実感された保護者も少なくないのではと思います。日本で育つ子どもなら、まだ読み書きできない幼稚園児でもしりとりはできますが、海外で育つ子どもは、ひらがなを覚えても日本語の語彙が限られているケースが多いので、このようなことが起こります。1年生になり、...
2022.03.22 23:00絵本 地下鉄のできるまで「小さい頃に大好きだった本だから」と、読んでくれた絵本です。我が家は娘しかいませんので、自宅にある絵本はやはり女の子が好みそうなものが多く、この絵本も知りませんでしたが、大人でもとても面白く、読んでくれた男児も「何度読んでも面白い。」と言っていました。精密な絵とわかりやすい文章で、地下鉄がどうやってつくられるのかとてもよくわかります。また、トンネルの工法の違いなど少し難しい内容も小さい文字で詳しく書いてあり、小さな子は大きな文字の本文のお話だけでも十分楽しいですし、大きな子には詳しい説明があって図鑑的にも楽しめます。カラスのパン屋さんの絵本で有名なかこさとしさんの作と後でわかり、さすがと納得しました。子どもの興味と知的好奇心を満たす良い絵本だと思います...
2022.01.10 23:00はじめてことわざ四字熟語辞典ことわざや四字熟語を楽しく日本語学習に取り入れるのに、便利なものとして、まず思いつくのは、「ことわざかるた」でしょうか。犬棒カルタ、ことわざかるた、四字熟語カルタなど、色々なものが市販されています。厚紙を用意して、子ども達と手作りするのも良いと思います。そして、ことわざ絵本と呼ばれるものも色々ありますので、機会があれば読み聞かせの1冊として選ばれるのも良いかと思います。ことわざに興味を持ち出したら「それってどういう意味?」「なんでそういうの?」という質問が必ず出てきますので、子ども向けことわざ辞典やことわざ解説本などが役に立ちます。以前に「写真でわかる慣用句辞典」をご紹介していますが、同じシリーズに「写真でわかることわざ辞典」と「写真でわかる四字熟語辞...
2021.08.25 22:00いきものづくし ものづくし小さな頃に買ってもらった絵本の中に、平凡社のえほん百科12冊セットがあります。すでに絶版になっており、古書として探し出すしか方法がないのですが、このえほん百科に似たようなコンセプトの新刊本はなかなかなくて、実家に置いたままだったのものを、娘が小さい頃にイタリアまで船便で運びました。えほん百科の名前の通り、百科事典と絵本を合わせたような構成になっており、あいうえお順に、色々なテーマが詳細な絵で描いてある図鑑のようだったり、色々な童話があったり、まさに読んだり眺めたり、調べたりと一人でずっと飽きずに楽しめる本でした。娘には、少し内容や絵が古過ぎるかとも思いましたが、全く気にならなかったようで、一人でじっと読んでいたのを覚えています。最近、福音館書店からこの...
2021.08.09 22:00しりとりカード日本語の語彙も増えてきて、ひらがなも読めるようになってきたら、かるた遊びやしりとりを一緒にやってみようと考える方は多いと思います。子どもには勝ち負けにこだわる年齢というのが確かにあって、自分が負けると機嫌が悪くなる、大泣きする、勝つまでやめないなどなど、気楽に楽しく遊ぼうと思っていても難しい時期があります。どんな子も少し大きくなれば、自分が負けても「負けちゃった〜」「もう一回やろう」と楽しく続けられるのですが、勝てないことで癇癪を起こしたり、もうやらない!とご機嫌が悪くなったりするような小さい子でも遊べる物を探していて、良かったのでご紹介します。普通のかるた取りでは、ひらがなを覚え始めの子と少し大きい子ではハンデがありますし、取り札の数で勝ち負けが決ま...
2021.07.08 22:00絵本「100」日本語で数字が数えられるようになって、だんだん大きい数も言えるようになってきたら、子ども達にとって100はどんな数字なのでしょう?暗唱できるからと言って必ずしも数の概念を理解しているとは限りませんので、できるだけ具体的に数を伝えたいと思っています。一番簡単な方法は、実際に具体物を数えて、目で多い少ないなどを体感することですが、おはじきや数え棒のようなものでも持っていないと、100個の同じ物を揃えるのは難しいですね。そんなことを考えていた時に見つけたのが、この絵本です。イラストのように見えますが全部写真で、風船やスーパーボールなどカラフルで子どもの好きそうな物がそれぞれ100個ある、それだけの絵本です。「本当に100あるのかな?」と数えるのも楽しいですし...