2025.03.05 23:00みんなのいちにち大きな時計がある建物に住むみんなの1日の様子を、時間の経過と共に見て楽しむ絵本です。時計が読めるようになった子向けの絵本かなと思いましたが、他にも色々な仕掛けや工夫のある絵で、みんなで楽しく読むことができました。挿絵の細かい部分まで一生懸命見て、「こんなところに〇〇がいる!」と喜んだり、「あー、〇〇してたのはこれを作ってたんだー」と後からわかったりと、ページをめくるたびに楽しい発見とおしゃべりが続きます。みんながすっかり寝静まった頃にあるものが出てくるのですが、それがとても可愛いので子供たちは大喜びでした。時計の時間を読んだり、朝、昼、夜、真夜中と1日の変化とみんなの働きぶりや各部屋の様子や建物あるお店屋さんや歩いている人たちをよく見たりと、子どもが楽...
2025.02.09 23:00ひともじえほん体を使ってひらがなを書いてみようというとても楽しい絵本です。文章もリズミカルで聞いていても楽しく、次のひらがなを思い浮かべながら、どうやるのかな?とワクワクしてページをめくっては皆で大笑いと、とてもおもしろくて盛り上がりました。一筆で書けるひらがなは一人で、画数が増えると二人で、三人で、ちょっと小道具を使って、とだんだん難易度が上がるのもよかったです。自分たちでもやってみたい!と教室でも挑戦して「まがるところがはんたいだよ」「こっち向いてー」「もう少し上!」と見ている子が応援して、大騒ぎになりました。体を使ってひらがなを表現すると言う発想が新鮮で楽しかった様子です。ひらがなを覚えて楽しく遊ぶと言うと、かるた取りが一般的ですが、体を動かす要素もあって、ひ...
2025.01.22 23:00いわむらかずおさん「14ひきのひっこし」はじめとするシリーズで有名な絵本作家のいわむらかずおさんが亡くなられたと知りました。世代を超えて愛されている絵本を作ってこられた作家の方々の訃報が続き、なんとも言えないさみしい気持ちです。すてきな絵本をたくさんありがとうございました。これからもずっと子どもたちに愛され続けるお話だと思います。ご冥福をお祈りします。
2025.01.09 23:00学研キッズネット まんがひみつ文庫ジャンルとしては学習マンガになると思いますが、実際のところは企業や団体等とのタイアップ本と言えるものです。日常生活で知らないこと不思議に思うことを、丁寧にわかりやすく説明解説しマンガにしてあるので、子どもだけでなく大人が読んでもなかなか面白く読めます。ジャンルも結構多岐に渡っていて、色々な子どもの興味を惹きそうなのも良いと思います。紙製の本は一般販売はされていないようですが、サイトでは全部無料で読めますので、海外在住の子どもたちにとっては便利ですね。漢字にルビがふってありますが、内容的には小学校中学年から中学生向きです。もう少し小さい子には、大人が語彙の説明をしてあげればわかりやすく楽しめると思います。
2025.01.07 23:00絵本 Michi「の」と同じ作家、junaidaさんの作品です。この絵本も精密できれいな絵で、文字はなく、ページをめくってずっと道を辿っていける仕組みになっています。エッシャーの幾何学的な面白みのある絵を、もっと明るく優しくしたような印象です。子どもは迷路遊びが好きな子が多いので、立体感のある迷路遊びのような感じで真剣に見ていました。失敗して戻ったり、もしかしてこっちも行けるかもと別の道を辿ってみたりと、何度も繰り返し、その度に新しい発見がある絵本です。一緒に絵を見ながらたくさん日本語でおしゃべりして、楽しい時間を過ごせます。junaidaさんの絵本は特徴的な美しさがあって、非常に完成度が高いので、どの絵本もおすすめです。それだけに1冊が割と高価ですので、文庫の蔵書に...
2025.01.06 23:00絵本「の」「の」という格助詞ひとつで連体修飾語がどんどんつながっていき、同時にお話もどんどんつながって...そして最後に、ある仕掛けに気づいて、もう一度最初に戻って、今度はしっかりとあちこちを見て読みたくなる絵本です。挿絵がとても精密で綺麗なところもポイントです。子どもは精密に正確に描かれた絵を興味深くよく見ていますので、絵の中にもたくさんの発見がある絵本は、とても楽しんでくれます。空想の世界が自由に広がっていき、子ども達も違和感なくその世界を楽しめる素敵な絵本です。
2025.01.05 23:00へびのみこんだ なにのみこんだ偶然ですが、また「へび」の絵本です。こちらはストーリー性よりも視覚的に面白く計算されていて、子ども達の興味を引いた絵本です。デザイン的にも凝っていて、作者名を見てやっぱりと思ったtupera tupera さんの作品です。他の絵本も、おしゃれで楽しい絵本がたくさんありますので、参考になさってください。シンプルなお話ですが、ページをと効果的な絵がぱっと目に飛び込んできてとてもわかりやすく、こども達はとても喜びました。結末がわかっても何度も繰り返してみたくなるようです。
2025.01.04 23:00へび ながすぎる教室のあるボローニャの東洋美術研究所には、東洋美術に関する専門書美術書などの他に、約3000冊の日本語絵本の蔵書があり、文庫として管理されています。これらの絵本は毎週貸し出しもでき、また、教室での読み聞かせに使ったり、お迎えまでの時間に自由に読んだりと活用させていただいています。書架の背表紙を眺めるだけでは、子ども達が一人で絵本を選ぶことは少し難しく、同じような絵本ばかりを選ぶ傾向もありがちですので、ちょっと違った面白そうな絵本をピックアップして、皆で一緒に読んだり、机の上に並べておいたりして、蔵書をなるべく紹介できるように心がけています。蔵書にある絵本から、子ども達の興味を引いたものを少しずつご紹介していきたいと思います。
2024.12.17 23:00ブックサンタ今年もクリスマスが近づいてきました。ブックサンタになって本をプレゼントできる仕組みがありますので、ご興味関心のある方はぜひどうぞ。どんな子どもにもせめてクリスマスに楽しい思い出があるように、小さなことですが協力したいと思っています。また、このサイトには年齢に応じた本が紹介されており、そこからプレゼントしたい絵本を選べるのですが、どんな絵本が出版されているかをざっと見ることができますので、日本の本を簡単に見比べることができない海外在住の方にも参考になるかと思います。
2024.11.13 23:00ねずみさんのパンツ有名な「しろくまのパンツ」に続く第二作の絵本です。主人公がねずみなので、本の大きさも小さくなっているのも面白いです。子ども達はしろくまのお話を知っているのですが、それでも皆わくわくして楽しそうに聞いていました。ページをめくる楽しさとこれは誰のパンツかなと当てっこする面白さ、安定のオチで、とても楽しい絵本です。
2023.10.26 22:00絵本「移動するものたち」動物の姿を借りて、難民・移民の人々を描いた「サイレント絵本」文字のない絵本です。今、どんな人もこのような世の中で生きていることから目を背けずに、伝えなければならないものを感じ取れる絵本だと思います。とても鮮やかな綺麗な色使いで、細かいところまで描き込まれた美しい絵ですが、ところどころに象徴的なものが描き込まれていたり、厳しい現実があったり、おとぎの国のファンタジーではない生きることの現実を考えさせてくれます。読み終わって楽しい気持ちになる絵本ではないですが、大人も子どもも読んでほしい絵本です。この絵本を描かなければならない、出版しようと思った人がいることを私たちは忘れてはいけないと思います。イタリアでも出版されていますので、ぜひ手に取ってみてください。