ひらがなの練習

ひらがなを練習するドリル類は日本で豊富に販売されていますし、無料でダウンロードできる日本語プリントもありますので、どうしたら良いのかと困ることはないと思いますが、その中でこれを取り上げたのには理由があります。

「し」からはじめるとあるように、この本はひらがなを「あ」から順にではなく、子どもにとって書きやすい「し」から練習するようになっているのがポイントです。

五十音を暗唱する場合は「あいうえお…」と「あ」から順におぼえる方が良いと思いますが、書き方を練習するには実は「あ」は子どもにはかなり難しい字になります。

横線、縦線、ぐるっと回る線が合わさって、書くのも難しく、形を取るのもなかなかバランスが難しいひらがなです。

例えばお名前があいちゃんなど「あ」がつく名前で、「あ」の字に特に親しみがあったり、見慣れている場合は別ですが、生まれて始めてひらがなを書くのが「あ」で手こずる子は案外多いはずです。

ですので、ひらがなを書く練習は、「し」「つ」など一筆で書けるような子どもにとって書きやすい字から始めてあげる方が、達成感がありスムーズに進められます。

この本は、ドリルやワークブックのような作りではなく、ホワイトボードのようにペンでつるつるの面に書いては消せる仕組になっています。紙に鉛筆よりも筆記具の抵抗が少なく滑りが良いので、まだ上手に指先の力をコントロールできない子どもにも書きやすいはずです。また、何度も書いたり消したりできる方が初期は確かに便利ですし、消すことがおもしろくて、子どもも何回もやってみたりしてくれますので、そのあたりも計算に入れて企画されているのではないでしょうか。

太めのサインペンやクレヨンをしっかり持てるようになり、筆圧もついてきてそろそろひらがなを書く練習をしようかと思われたら、このような本も便利かと思います。

こどもの にほんご

nipponica イタリア・ボローニャ 幼児からの継承日本語クラス