日本語学習を続ける上で、大変だと親も子も実感するのは、まず漢字と言えるかと思います。
アルファベットは、長い綴りや特殊な綴りなどはあっても、字そのものを覚えることは限られているのに、日本語は、ひらがなとカタカナだけでなく、漢字をたくさん覚えなければなりません。
学年が進むにつれて、画数も増え、加速度的に難しい漢字も増え、同音異義がどんどん出てきます。
ほとんどホラーですね。
海外で育つ子どもにどの程度漢字学習を求めるのかは親として悩むところですが、小学校低学年で漢字を諦めると、日本語の語彙や表現力が増えないので、日常会話以上の語彙を獲得できない可能性が高く、漢字にふりがなを振っても理解できない語彙が多くて、学習そのものが困難になる、年齢相応の会話力が育ちにくいなど日本語全体の可能性を狭める結果になるように思います。
時間はかかっても、こつこつ頑張って諦めずに続けられたら一番良いのですが...
漢字圏以外の海外で育つ子どもたちが極端に漢字学習で苦労するのは、何か理由があるはずだと考えてきましたが、漢字は難しいと言う単純な理由を思いつくだけで、実際にどうしたら改善できるのかは試行錯誤でした。
漢字に限らず、海外で日本語を学ぶ子ども達の日本語の能力は大変ばらつきがあります。
話す聞くに比べて読む書くが特に大変な子が多いのも普通です。でも、日本語の文字を書くのがやっとの子どもでも、イタリア語はヒーヒー言わずに書くわけで、それは単純に、学習量の違い、インプットの量から来るのだろうと思っていました。
そう言う一面があるのは確かだと思います。一週間に5日現地語で勉強して、週に1回の補習校などでは学習する量は全然違います。しかし日本語の勉強量を増やすことにはどうしても限界があります。
なぜ漢字になると、混乱したり、面倒くさがったり、覚えるのがとても大変だったりするのか、この困難さをもっと噛み砕いてハードルを下げる方法があったら乗り越えられないかなとずっと思っています。
子ども達が漢字を書いている様子を観察していると、あることに気がつきました。
ちゃんと覚えている漢字は、線も力強く形もしっかり書けているのですが、うろ覚えだったり自信がないと、走り書きのような、角がしっかり曲がってなかったり、線が2本なのか3本なのかをうやむやにした、とにかく「アヤシイ」漢字を書きます。
マス目の端っこにくしゃくしゃっと小さく書く子もいました。字が小さければ自分のミスが見つかりにくいからです。
これがヒントになりました。
小さく書けばミスが見つかりにくい。つまり、大きく書けばよくわかる。のでは?
活字が小さくて、まず手本が正しく見えていないのでは?
漢字は、アルファベットに比べると画数が多く、複雑な形をしています。
アルファベットの文字に慣れている子どもには、漢字の構造は複雑過ぎるのではと思い至りました。
あるお母さんが、教科書や国語辞典の漢字が小さいので、紙に大きく書いて筆順を理解させていると話されたことも、やっぱりと思いました。
上に挙げた漢字1006字の本は、今のところ市販されている小学生向けの漢字の本の中で漢字一字が一番大きく載っているものだと思います。
活字は、教科書体で、白抜きの文字になっており、書き順は一画ごとにマス目表示ではなく、漢字の中に数字を打った矢印で示してあります。
とにかく大きく漢字が1ページに2字ずつどかんと載っていて、大変シンプルですが、余計な情報がなく、子どもは混乱しません。
実際に子ども達に使ってもらっていますが、見やすくてわかりやすいようです。
小学生向けの漢字辞典はたくさん出版されていますし、1冊はお持ちかと思いますが、漢字そのものがここまで大きいものはありません。画数が多くなればなるほど、この本の漢字の大きさは便利だと感じています。あまり有名ではないみたいですが、おすすめの一冊です。
海外在住で簡単に日本の本が手に入らない方も多いと思いますが、手書きで紙一枚に漢字一字を大きく書いてあげるか、お手持ちの教材を拡大コピーしても良いかと思います。
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