あいうえおの絵本は、お話を楽しむ絵本ではなく、小さい頃から文字や言葉に親しんでもらうための絵本ですので、子どもが飽きずに何度でも繰り返し見てくれるようなものを選ぶのが良いと思います。
有名なキャラクターや恐竜、電車などに特化した物もありますが、語彙を増やすと言う観点からはもう少しベーシックで絵も簡潔でわかりやすい方が、赤ちゃんの頃から見せやすいと思います。
この絵本は、ひらがな1字につき、そのひらがなで始まる単語が4つずつ、ちょっとレトロ風味のかわいいイラストで描かれていて、それぞれの単語も幼児にわかりやすいものが選ばれています。
単語の数も少な過ぎず多過ぎず、ページを開いた時の構成も簡潔でわかりやすく、ひらがなの書き順と同音のカタカナも提示されています。
ひらがなは、教科書体のフォントが使ってあり、小学校の国語教科書を見てもスムーズに読める工夫がしてあります。フォントが違うと同じ文字だと最初は認識できない子どももいますので、この配慮は親切だと感じました。
この絵本をじっと繰り返し見るだけで、ひらがな50音を子どもが一人できれいに書けるようになるとは思いませんが、絵を見ながら日本語の語彙を増やし、言葉と文字を意識させるのには丁度便利な作りになっています。
6歳前後で補習校や日本語教室に通い始めた時に、このようなあいうえおの絵本を見せ、さぁ読みなさい、書きなさいと言うのではなく、絵を見て何かわかるようになった幼児の頃から一緒に読んで見せてあげるのがポイントです。
あいうえおの絵本は、海外で暮らしているとプレゼントに頂いたりすることも多く、どれを選ぶのが良いか迷うところですが、この絵本は男児でも女児でも拒否反応を起こさないかわいらしいイラストで、文字を覚える時の子どもへの配慮もされていますので、おすすめの一冊です。
0コメント