今、日本で映画も単行本も大変人気があり有名な「鬼滅の刃」ですが、イタリアに住んでいて日本の流行にはちょっと遅れがちな私でもそのすごさに気付いたことがあります。
昨年のことですが、ある生徒が漢字の勉強をしていて、「車」を何だったっけ?としばらく考えていたり、「どようびのどはもしかして土?」と質問したりしていたのに、急に「オニって書けるよ」と言って書いて見せてくれたのです。何も見ないで確かに「鬼」と書いたので、どうして鬼の漢字を知っているの?」と不思議に思って尋ねると「先生、きめつのやいば見たことないの?」と言われ「ああ、あの大人気というマンガのことだわ。オニメツじゃなくてキメツと読むのね」とやっと理解したのでした。
しかも、このマンガのことをその日教室にいた子ども達全員が知っていたのです。男児も女児も、年齢も色々なのに全員が知っていて、「好きだ」「おもしろい」と盛り上がっていました。
その後、私はあらすじなどを知りたいと思い、インターネットで鬼滅の刃を検索してみたのですが、あっと声を出してびっくりしました。
子どもの書いた「鬼」の漢字が、鬼滅の刃のタイトルのフォントと同じだったからです。
教室で漢字を見た時は、鬼の左側の足が普通以上に長くてかなり下に伸びていたので、ここは左右の下のラインを揃えた方が良いとちょっと訂正したのですが、なぜこんな癖のある書き方をしたのかまではわかりませんでした。
毎日漢字ドリルで勉強しても忘れてしまう漢字がいくつか出てくるのに、マンガを見ているだけで、1字だけとは言えフォントの特徴までしっかり記憶に残ってしまうとは、なんだか頭を後ろから殴られたような気がしました。(大げさですね)
海外で日本語を勉強する上で、親も子も一番苦しむのは漢字の習得だと思いますが、週に1回たくさんの漢字の宿題をしても、残りの6日間漢字を見ることなく生活していれば、忘れてしまうのは当然です。毎日少しでいいから漢字を覚え、覚えた漢字は忘れてしまわないように何らかの方法で目にする、あるいは使うことがやはり基本なのだろうと思います。
イタリアで現地の学校に通っている以上、学校で漢字に触れることは望めませんから、家庭で工夫するしかありません。実際の方法としては、日本のTV番組や動画を見る時に日本語字幕もつけて見る、日本語の本や雑誌を読む、目につく所に漢字一覧表を貼って毎日読むなど、色々考えられると思います。
「鬼滅の刃」は、登場人物にかなり凝った漢字を当てた古風な名前が多いので、単行本を読んでいる子どもなら、いくつかの漢字は書けなくても読めるようになるだろうと想像しています。丁度、ポケモンが大流行の世代の小学生が、ポケモンでカタカナを読むようになったのと似たような現象ですね。
漢字の勉強も、興味を持つきっかけになるものがどこに転がっているかわかりませんから、小学生の流行も侮れません。
さて、2月2日までですが、鬼滅の刃のサイトで節分のお面をダウンロードできます。
鬼滅の刃の登場人物になって家族で豆まきするのも面白そうですね。
詳細は下記の公式サイトからどうぞ。
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