日本語の「あなた」

日本語で会話をしていて、イタリア語の直訳とわかる言い方をする場合が時々あります。

その中でも不自然に感じるのは、「あなたは〜」や「あなたが〜」と、相手に向かって言う時です。

成長とともに日本語の発話が流暢になれば、この「あなた」の使用はまず出てこなくなり、日本語の自然な会話がまだ少ない子どもの場合、やはり出現して来るように感じています。

イタリア語ではTuという二人称単数の人称代名詞がありますが、このTuを直訳して「あなた」と言っているのだろうと思いますが、いつも不思議に感じていました。

まず、なぜ子どもが「Tu」が日本語では「あなた」に当たると知ったのか?

まだ自分で伊和辞典を引いたりしませんから、誰かが日本語で「あなた」と使っていたのでしょうか。でも、日本語の母語話者なら、人に向かって「あなたは〜」とは余り言わないように思います。相手の名前(山田さんは、太郎ちゃんは)や肩書き(先生は、お客様は)、名前も肩書きもわからない場合でも「そちらの方は」などを使う方が自然なので、一体どこで「あなた」を覚えるのだろうと心に引っかかっていました。

もしかしてTVのアニメなどの影響でしょうか?

それとも「Tuは日本語でなんて言うの?」と親に聞いて「あなた」と教えてもらったのでしょうか?

そして、Tuがあなたであることは文法的には謝りではないけれど、なぜ聞いていてこんなに違和感があるのか、それまで割とスラスラ話していても、こう言っただけで急に日本語が非ネイティブぽく感じられるのはなぜか、とても不思議でした。

こちらのコラムを読んで、色々と腑に落ち、違和感を感じた自分の感覚に納得しました。

興味のある方はどうぞお読みになってみてください。


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nipponica イタリア・ボローニャ 幼児からの継承日本語クラス