2023.11.30 23:00日本育ちのブラジルの子供たち良い記事なので、多くの人に読んでもらいたいと思いました。海外で子どもを育てている人にも日本に住んでいる人にも、きっと心に刺さると思います。この中に出て来る親や子供達の言葉がとても重く、そして、決して他人事ではないことを強く感じながら読みました。ご興味のある方はぜひお読みください。
2023.09.01 22:00漢字にふりがなを小学校低学年は別として、中学年以上は未習漢字も漢字表記でふりがなをつける方が語彙も増えるし、最終的に読める漢字が増えるのでは?と、娘の教科書を見て感じたことがあります。日本語には漢字がある以上、漢字を見慣れておく方が良いのは、継承語を学ぶ子どもたちも同じです。「漢字が多いからこの本読みたくない」と言う子は少なくありません。ひらがなだけの絵本は内容が単純ですから、年齢相応の興味関心を持って読める本の方が良いのは明らかですし、漢字習得が進んでいないことで読書の楽しさからも遠ざかりやすいのは勿体ない気がします。ふりがながあれば、ふりがなを読んでも意味のわからない言葉は親や先生に聞いたり、自分で調べたりと日本語の語彙を増やす活動にもなります。電子書籍なら漢字の...
2023.08.31 22:00二重国籍アンケート少し前の記事になりますが、興味深い内容でした。海外で暮らし、子どもを育てているほとんどの方に関係のある問題だと思います。娘が生まれた時には「この子が成人する頃には、日本も二重国籍を認めるようになっているのではないか」と思いましたが、そうはなりませんでしたし、この先もそう簡単には変わらないような気がしています。二重国籍を認めることで日本の国益を損なうとは思えないし、当事者も不利益を被ることがなくなるのですから、ぜひ前向きに検討していただきたいとずっと思っていますが、日本国内の一部の人には二重国籍はスパイ、二重国籍はずるいという根拠の稚拙な感情的意見が目立ち、とても残念です。ただ、例の蓮舫議員の国籍問題のニュースがきっかけで、当事者以外の人にも二重国籍の問...
2023.05.21 22:00子供の言うこと聞いちゃダメじゃん!継承日本語教育に関心のある保護者や先生の間で、よく話題になるのが「子どもが日本語の学習を嫌がったり、補習校を辞めたいと言った時に、どうしたらよいか」というテーマです。永遠のテーマと呼んでもよいような気もしますが、継承語として日本語を学び続けることがいかに難しいかを示す一端だと感じています。上のタイトルは、あるお子さんが実際に言ったという言葉です。子供が日本語学習を嫌がるようになったので、補習校をやめさせた結果、子供はそれ以上日本語を習得しなかった。大きくなってから、自分で日本語を勉強した方がいいと考えるようになったのだが「お母さん、なぜ子供の時にちゃんと日本語を勉強させてくれなかったの?」と親のせいにするので「あれほどやめたいと言ったのは自分じゃないの...
2023.04.19 22:00大切なのはインプット3人とも日本語を上手に話しておられますが、特に真ん中のマットさんが、発音とイントネーションの自然さ、語彙の豊富さで群を抜いています。このマットさんが、どのように日本語学習したのかについて話しておられるのですが、とても重要なポイントを話しておられるので、ぜひご覧になってください。まずはひたすらインプット。正しい発音をたくさん聞く。知らない言葉が出てきたら調べる。単語は暗記して語彙を増やす。文法は理論を理解するのではなく、自然に正しく使えるようにする。反射神経で正しい助詞が選べるくらいに。日本人は言葉の意味を知っているから漢字をおぼえられる。日本人は少年ジャンプを読みながら、ふりがなを見て「しょうねん」は「少年」と書くのねと覚えらるのは、すでに「しょうねん...
2023.02.26 23:00子どもに母語を継承すること主に中国やフィリピンなどアジアの国々から、日本の東北地方へ移住した女性達の継承語に関するいろいろな思いや現実がぎゅっと詰まった記事です。大変長い記事ですが、最後にもとても大切なことが書いてありますので、ぜひ最後までお読みください。金髪碧眼の人が多い国で、黒髪で平たい顔の変な言葉で喋るお母さん。それが私です。それを恥ずかしい、おかしいと思わない子に育てたかったし、どんなに小さな国の言葉でもその人にとっては大切な自分の一部だということを、私は自分の言葉を通して、子どもに伝えたかったのです。たかが言葉。けれど、とても大事な言葉です。海外で暮らす日本人とは逆の立場の方達の記事ですが、同じ思い、同じ苦労、同じ失敗、そして様々なケースがあって、遠い所に暮らす同志の...
2023.02.22 23:00二重国籍日本では、現在も複数の国籍を持つことは認められていません。以前に蓮舫議員の国籍問題でかなり話題になりましたが、世論は、二重国籍はスパイだ、ずるい、法律を守れの一点張りで、生まれながらに自動的に二重国籍になった人間の現実にはほとんど言及されていませんでした。ここに来て、現実に理解を示して前向きな発言を河野太郎氏がサイトで述べておられますので、ご興味のある方は是非お読みください。
2023.01.10 23:00日本語がカタコトなのは佐藤ミケーレ倭子さんというYouTuberの動画です。自分の日本語がカタコトなのは、ブラジル人の父がカタコトの日本語で話しかけたからだということを面白おかしく話しておられます。真面目に言うと、彼女の日本語はカタコトではないです。飼い犬や父親について尊敬語で話しているところがありますが、間違いはそのくらいで、語順や語彙量、助詞や接続詞の使い方に、若者言葉のくだけた要素はあっても、日本語初心者のような非文的な間違いはありません。一部の発音に発音上の違和感が確かにありますが、ポルトガル語の干渉とは考えにくいので、お父さんのせいではなく、滑舌と言うか、鼻音の問題ではないかと思います。他の動画では、もっと滑らかにシャキシャキ話しておられる回もありますので、ある意...
2023.01.09 23:00攻略法という児童書小学館には、私も娘もとてもお世話になりました。「小学◯年生」学習雑誌は、昭和の子どもだった私は毎月買ってもらって読みましたし、娘もイタリアへ送ってもらって、6年間毎月届くのを楽しみにしていました。娘が読んでいたのを見て、自分の子供時代よりかなり学習雑誌の学習の要素が薄れ、ファッションやゲームソフト、アニメのパンフレットに近い紙面になっているとは感じましたが、それでも、ドラえもんで漢字や九九を覚えることなどが楽しく紹介されていました。児童書、学習雑誌の出版社としての歴史も実力もある小学館から、下のような児童書と銘打った本が出版されていることを最近知りました。出版業界も不景気であることは承知していますが、これはさすがにひどいと感じます。まず、世の中が何であ...
2023.01.08 23:00漢字が大好きなイタリア人の例日本語学習中のイタリア人高校生のお話です。ゼロから日本語を学習しメキメキ上達中で、びっくりするほど漢字を知っています。一体どうやってこんなに漢字を覚えたのか尋ねてみたところ、毎日1時間半漢字を書いて覚えていると答えてくれました。今は学校があるので1時間半だけれど、夏休みは毎日3時間漢字や日本語の文章を書き写し練習していたとのこと。聞いてるだけで腕が痛くなりそうですが、本人は漢字が大好きでどんどん覚えたいそうです。漢字が好きすぎて、作文もやたら漢字を使うので、明治時代の文豪みたいになっていましたが、これだけ覚えたらすごいと感心しています。書けば覚えるタイプであること本人が自分の意思で勉強していること日本の大学に進学し、日本で暮らしたいという明確なモチベー...
2023.01.05 23:00音読力面白いYoutubeがあると教えてもらいました。仲の良い3人の男性が、それぞれの持ち味を生かして毎回面白いテーマで動画をアップしています。この中の一人が、アメリカ育ちで、高校からは日本在住、日本の大学を卒業したという経歴のケビンさんです。この彼が、日本語の会話はペラペラなのに、音読するとかなり怪しい人になるという回です。高校から日本で教育を受けたとしても、彼の日本語の発話力は、海外で継承語に関わっている者からすると本当に素晴らしいと思うレベルです。発音もほぼ英語の干渉がないし、会話のスピードも日本語が第一言語の人と変わりません。ところが、日本語の文章を読むと、成人としては結構ボロボロです。
2022.11.25 23:00「文盲」アゴタ・クリストフずっと読んでみたいと思っていた本をやっと落手し、一気に読んでしまいました。彼女に限らず、母語、母国語ではない言語で小説を書いた人は他にもおられます。例えば、多和田洋子、リービ英夫、温又柔、李琴峰などがパッと思いつく方々ですが、その誰とも違う、もっと強く静かに押し寄せてくるような感情が淡々と書いてある本でした。生活する、生きのびることが過酷な中、そのためにだけ必要な言語で、憎んでさえいる言語で、しかしそれを使って自分の心情を書き留めることをした彼女を思う時、私の日本語をわかる人になってほしいと願った娘への気持ちの発端を思い出したりもしました。彼女の幼い娘に彼女の母語が通じなくなる様子がさらりと書かれている場面もありますが、その淡々とした描写がすごくよく理...