しりとり遊びは、道具も準備も必要ありませんし、子どもの頃に気軽に楽しんだ方も多いと思います。
ところが、海外で育つ子ども達にはしりとりは案外難しく、思ったほど楽しめないことがあります。
知っている日本語の語彙が少ないので、次の言葉を思いつかなかったり、同じ単語しか出てこなかったりといった場面が続き、遊びのテンションが下がってしまいがちです。
ひらがなを覚えたから、さぁ一緒にしりとりで遊ぼうと思っても、なかなか難しいと実感された保護者も少なくないのではと思います。
日本で育つ子どもなら、まだ読み書きできない幼稚園児でもしりとりはできますが、海外で育つ子どもは、ひらがなを覚えても日本語の語彙が限られているケースが多いので、このようなことが起こります。
1年生になり、補習校や日本語教室でひらがなを読み書きすることを日本語学習のスタートと考えておられる保護者も多いと思いますが、実は、それ以前に耳から日本語の語彙をたくさん習得しておくことは、意味があり、大切なことの一つでもあります。
ご紹介する本は、安野光雅さんの優しい筆使いの絵が見開きいっぱいにたくさん描かれている絵本です。
見開き1ページで1つ言葉を選び、次のページでそれにつながる言葉を探します。
それぞれの絵のそばにひらがなも書いてあり、語彙が少なくても、ひらがなが読めれば楽しめます。
上手につなげられると、最後のページで「ん」のつく言葉で終わりますが、できなかったらまた最初のページに戻って続けます。これが結構楽しいです。
一人でも遊べるし、絵を見てその物の名前を覚えることにもなり、しりとり遊びの素朴さを親子でも一緒に楽しめる絵本です。
0コメント