日本語で九九

かけ算の式と答を順番に唱えるのが、イタリアの九九です。

「ににんがし、にさんがろく、にしがはち…」と語呂がよく口ずさみやすい日本の九九に比べて、イタリアの九九は、短縮にも語呂合わせにもなっていません。

2×2=4 は、 Due per due e quattro(ドゥエ ペェル ドゥエ エ クワットロ)とそのままです。

日本語訳すれば「 にかけるにはよん、にかけるさんはろく、にかけるよんははち」と、ただ順に暗記するだけなので、9の段まで覚えるのも大変そうですし、思い出すにもこれで早いのか遅いのか、日本の九九に慣れている者としてはとても不思議な気がします。

「日本語の方が確かに思い出しやすく早い段もある」と娘も言っていました。

日本語での数字の読み方を完全に分かっている子供であれば、日本式の九九も覚えておくのも便利です。「にかけるにはよん」を「ににんがし」とリズムよく短縮できる日本語の語感を子供が実感できるのも良いところです。

在住国の言葉で暗記するのがまず大事ですが、余裕があれば日本語でも九九を暗記してみるのも一案です。

九九の表やカード式にしてぶつぶつ唱えながら覚えるだけでなく、今は歌にして覚える方法もあります。音楽と一緒にくり返していると案外記憶に残りやすく、まず耳から覚えてしまうのは良い方法だと感じています。


中学になると、元素記号の周期表を日本語で覚える方法も娘に教えましたが、これは確かに便利だったようです。日本人なら知っている「水兵リーベ僕の船 七曲がりシップスクラークか」ですね。

「意味が分からない。何これ?」とバカにしながらも印象に残るようで、簡単に覚えられ思い出すのも早いと言っていました。


日本語も勉強している子どもに、日本語の語呂合わせのおもしろさと便利さを実感して実際に使ってもらえるのは、大変興味深かった思い出です。



こどもの にほんご

nipponica イタリア・ボローニャ 幼児からの継承日本語クラス