漢字をおぼえるために



漢字は、ダラダラと何回も書く練習をするだけでは、疲れるばかりで結局記憶に残らないという結果になりがちです。

子どもはこの面倒くさい作業を早く終わるために、ます目を埋めることが目標になってしまい「おぼえる」意識がないので、何回も書いてもあやふやにしか書けないことになってしまいます。そのような傾向のある子どもに、5回書いておぼえられないのだから10回書きなさいと言っても結果は同じことで、漢字が修行のようになってしまうばかりです。

子どもにも性格や能力にいろいろ差があり、おぼえられない子どもには色々な工夫がやはり必要だと感じます。

基本は、まずしっかり見ながら書いて、体でおぼえること。

次に、書きながら、口で唱えること。正しい筆順を口で言いながら書いて練習してみてください。

例えば「五」なら、「よこ、たて、よこ曲げ、長いよこ」のような調子です。もう少し複雑な漢字になってきたら、例えば「男」なら、「田んぼに力」とおぼえると思い出しやすいですね。

このような語呂合わせやこじつけで暗記する方法は、おぼえられる子どもは自然にやっていることなのですが、それが自力でできない子どももいるのだと思います。

ここに挙げた2冊は、「歌っておぼえる」とあるように口で言いながらおぼえる工夫や、語呂の良い組み合わせでリズミカルに暗唱できるようにさせ、おぼえる工夫をしています。

目と耳と口を総動員して記憶に残るようにするのは、特にアルファベットより複雑な漢字には有効だと感じています。

もう一冊の方のドラえもんのシリーズは「絵で見ておぼえる」とあるように、漢字をわかりやすい絵にして、記憶に残りやすくしてくれます。

音声記憶が優勢でなく、映像記憶のタイプの子どもであれば、こちらの方がおぼえやすいかもしれません。漢字は象形文字ですから、成り立ちが絵でわかると、案外おぼえやすかったりします。

漢字がおぼえられない→たくさん書かされる→面倒くさい、やりたくない→もっと漢字が嫌になるという無限ループに陥らないように、記憶を助けるような工夫のある練習法をぜひ見つけてあげてください。








こどもの にほんご

nipponica イタリア・ボローニャ 幼児からの継承日本語クラス