作文を書くときに

補習校などでは、作文や日記、感想文など、日本語である程度の長さとまとまりのある文章を書く練習をされると思います。学年が上になれば、国語の読解問題でも「○○字以内で書きなさい」という解答形式も出てきます。

ところが小学校4、5年生になっても、いつまでもテンプレートに当てはめただけのような文章を書くのが、精一杯という子どもも多いのではないでしょうか。

普段ほとんど現地語で生活しているのに、日本語で文を書くのは、結構大変な作業ですから、日本語で日常会話はできても、作文になると決まりきった内容しか書けなかったり、余白が目立つような短い文でさっさとおしまいにしたりということは多いでしょう。

文章を書く時は、できるだけいろいろな表現、語彙、語句を使ってことば豊かに書くことが望ましいのですが、「ちゃんと書きなさい」と言っても、頭に浮かぶのはいつも同じような限られた日本語表現だけになってしまいがちです。

そんな時に、類語辞典を使って調べて書くことを教えてあげてみてください。こんな言い方があったのか、こんなことばがあったのかという発見があります。語彙を増やすことは言語を学ぶ上で大事なことですが、海外では日本語に触れる機会は限られますし、親子の日常会話や教科書だけではやはり限界があります。

類語辞典なので、50音順にことばを探すのではなく、似たことばが集められています。類語辞典は他にも各種ありますが、大人向けで、難しい漢字や表現が多く、子どもでは使いこなせませんから、小学生向きに編集されたこの辞典はおすすめです。

作文を書く時だけでなく、読んでいるだけでもいろいろなことをおぼえるので、1冊あると便利な辞書です。

語彙や表現力を増やして、いつもの作文の宿題が少しでも楽しいものになりますように。



こどもの にほんご

nipponica イタリア・ボローニャ 幼児からの継承日本語クラス