日本の小学校でも、国語教科書の他に漢字ドリルや漢字練習帳などの副教材を使い、毎日のように漢字の宿題が出たり、漢字テストがあります。
つまり、日本に住んで日本語だけを話している子どもでも、それだけ努力をしないと漢字は身に付かないと考えられていると言ってよいでしょう。
これと同じ努力を海外に住む子どもにさせるのは、本人のやる気や学習能力以前に、まず時間が足りないという問題があります。現地校で勉強をし、宿題や習い事をした上に、毎日決まった量の漢字を書き取り練習するだけの時間と根気と体力は、たいていの子どもには残っていません。
最初のうちは新出漢字も画数が少なく簡単なものですが、3年生からは新出漢字の数も増え、熟語や同音異義語が多くなり、漢字の勉強が厄介になってくるのも丁度この頃からです。
新出漢字数が増え、漢字の画数は多くなり、書いても書いてもおぼえられない、おぼえてもしばらく経ったらすっかり忘れているの繰り返しになりがちです。
漢字が読めないと、教科書を始め本や雑誌がすらすら読めなくなり、日本語を読むことがだんだん苦痛になって、日本語の書き言葉から遠ざかりますので、日本語の語彙や表現力の増加が望めません。
ですから、漢字を諦めるということは、日本語学習を諦めることに近づく第一歩とも言えます。
何とかして踏ん張りたいですよね。
補習校などで漢字の書き取りテストがある場合は、書く練習を全くしないわけにもいきませんが、家庭学習でがんばろうとしている子どもに漢字の練習を強要し、漢字が負担になって日本語学習を嫌ってしまうのは、何とかならないだろうかとずっと思っています。
これはあくまでも、海外で細く長く継承語として日本語学習を続けるための作戦のひとつですが、漢字は書けるよりまず読めるようになることに重点を置く方が、色々なストレス軽減になるのではないかと思います。
今の時代なら、正しく読めさえすれば書くことは入力変換という手段もありますし、手書きで日本語の文を書くような場面が海外生活でそうあるともあまり思えません。
ただし、自分の日本名は、漢字で書く場面があるかもしれませんので、難しい漢字であってもおぼえて書ける方が良いのではと思います。
漢字は、まず読めるようにしてあげる気持ちで取り組まれてはいかがでしょうか。
- しっかり漢字の読みと意味を学習する
- 音読みと訓読みは同時におぼえる
- 1字ずつでなく、熟語でおぼえる
上記の3つが、ポイントです。
光村図書の国語教科書は、音読みと訓読みが別々に出てきますが、新出時に訓読みだけをおぼえ、後で音読みをおぼえるのは、二度手間ですので、最初に覚える方が良いと思います。
読み方と意味を知っている漢字を書けるように練習することは、それほど苦痛にならないはずです。
3年生からは新出漢字の数も増え、同音異義語がたくさん出てきますので、漢字1字の読みを覚えるだけでなく、熟語の読みを重点的に練習して下さい。
漢字ドリルや問題集は、書き取りと読み取りがセットになったものばかりでしたが、下記にあげたように、読み取り問題だけを集めた問題集もやっと出てきました。
参考:学年別漢字配当表
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