日本では「子どもが漫画ばかり読んで困る」「漫画は読書に入らない」「勉強しないから漫画禁止」などの意見もありますが、海外在住ですから、漫画でも何でもとにかく子どもが日本語を読んでくれたら嬉しいという気持ちでした。
漫画だけに偏らずバランス良く本も読むのであれば、漫画をことさら問題視する必要はないですし、どちらかと言うと、海外で日本語に親しむのに漫画は結構重要かもしれません。
もちろん、漫画は読むけれど本は毛嫌いするとか、漫画を読んでいるけれど日本語会話がさっぱりであるとか、そのような傾向があれば注意と対処が必要と考えています。
漫画は、絵があって理解しやすいですし、吹き出しの中に出てくる会話は短いものが多く、長文を読む必要があまりありません。 難しい漢字にふりがながついているものも多いので、本を読むよりハードルが低く、子どもも抵抗なく読んでくれるメリットがあります。
日本語の勉強はあまり面白くないけれど、漫画を読むのは楽しいと思ってくれれば、それを日本語学習のモチベーションにつなげることもできます。
日本語を学習することは、日本語で何かできるようになることが最終目標ですので、漫画が読めるのも立派な結果です。
小学1年生で読める「ドラえもん」等の漫画から、徐々に内容的にも表現的にも対象年齢の高いものに自然に移っていければ理想的です。 子どもの精神的成長と日本語の力の伸びがうまく合致して進むと一番良いと思います。
日本語学習だけを課すのではなく、日本語での楽しみも身近にあるようにしてあげて、車の両輪のように子どもの日本語を育ててゆけたらと思います。
漫画は本よりハードルが低いとは言え、それなりに日本の文化的背景や歴史、流行、パロディ等の知識がないと真の面白さがわからない場合もありますし、隠語や言葉の省略、擬態語擬声語の多用で、一読で意味がつかめなかったりします。 そのあたりの難易度と、内容が極端に暴力的だったり性的でないかも考え合わせて、お子さんに合う作品を選んでください。
漫画は読むけれど、一向に本を読まないという状況に陥るのを避けるのであれば、本を1冊読んだら漫画を1冊読んでも良いという交換条件にしたり、宿題や勉強が終わってから漫画は読むとルールを決めたり、テスト前には漫画の蔵書は鍵のかかる所に仕舞うなど、家庭で色々工夫してみたらどうでしょう。
学習習慣や勉強態度がまだ定まらない小学生の間は、親がある程度ルールを作り、管理する必要はあるかと思いますが、ぜひ漫画にも親しませてあげてください。
漫画の単行本は、電子書籍化されている作品も多いので、その点も海外では便利です。
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