あいうえお作文

2年生の国語教科書にも出てくる「あいうえお作文」です。

・ひらがなを習得し、五十音順を暗記していること

・色々な品詞の日本語の語彙をある程度の数習得していること

・短文を思いつく程度の文法力と作話力があること

これらの言語知識を身につけていれば、楽しんでできることば遊びです。

日常会話はそれなりに日本語でできても、簡単なことば遊びがスラスラできない場合は、読み書きの日本語のインプット量がまだそこまで達していないと言えるかと思います。

子ども達が楽しんでこそのことば遊びですので、焦らず少しずつ日本語の楽しい世界を広げて下さい。


生徒の考えた作品を紹介します。


一番小さい生徒さんですが、なかなかの長文のお話を作ってくれました。

「えー」や「おー」の感嘆詞は一瞬禁じ手かなとも考えましたが、会話の流れとして不自然ではないし、せっかく自分で考えて書いたのだから手直ししないで良いと判断しました。


 ありのがっこうに

 ぬ(犬)がおそいかかってきました。そしたら

 さぎが犬に言いました。「ありをびっくりさせたらだめだよ。」

ー、でもおともだちになりたかっただけなんだ。」と犬がいいました。

 ありのせんせいが、いいました。

ー、みんなあなたみたいな大きなともだちをさがしていたんだ。」

すると犬がいいました。「えー、じゃぁ、ぼくのせなかにのっていっしょにあそぼう。」


次は、9歳の女の子です。なかなか洒脱な文章で、おもしろいです。


なごと

かを

ってるお店で

びもいっしょに

買い上げ


たり前だけど

ちごは

まいよね

ひめみかんも

いしいよね


果物の名前で「え」で始まるものがわからなかったので「愛媛みかん」にしたと苦労を語ってくれました。

愛媛みかんなんてよく知ってましたね。冬休みに日本で食べたのかもしれないですね。



さかわ(浅川)に、ぼくは

しだ○○○くんとでかけました。

れしい

んそくでした。

にぎりをたべました。


8才の男児です。

「い」で始まるのは、日本の大親友の名前だそうです。

日本の思い出や経験と日本語がつながっている部分があることが、継承語の大きな一面だと思いますので、これぞまさしくと感じました。

楽しい思い出がまた日本で作れると良いなと思います。


最後に親バカですが、娘が6歳の時に自分で作ったものです。


そこの

け(池)で

しが

しえている


池のほとりでホルスタイン柄の牛がイーゼルの前に立ち、パレットを持って絵筆で遠くを指している絵もノートに描いていたのをおぼえています。


あいうえお作文は、「あいうえお」だけでなく「かきくけこ」「さしすせそ」と、どんどんできますし、「あかさたな...」や「いろはにほへと...」でも楽しめます。

5行にこだわらず、最初はひらがな2つか3つで作っても良いと思います。

また、「かるたとり」とか「あじさい」など適度な文字数の意味のある単語を決めて、それに相応しい文を作るようにすると難易度もあがるので、もっと大きい子でも楽しめます。

家の中で、特別な道具も必要なく手軽に楽しめますので、やってみてください。


こどもの にほんご

nipponica イタリア・ボローニャ 幼児からの継承日本語クラス