元大臣として無責任では?

9期も衆議院議員を務め、2012年から2015年までは文部科学大臣だった人が、落選した身であってもなぜこんなに他人事のように発言できるのかしらと呆れるレベルです。

この動画で話しておられる状況は、10年以上前から危惧され問題になっていた事ばかりです。その間自民党はほとんど具体的な対策もせず、今日の状況を招いているわけです。

「なぜ増える?日本語が通じない児童たち」とタイトルが付いていますが、なぜもなにも、外国人を単なる安い労働力としか考えず入国許可を出し、日本語習得や子供の就学問題を放置しておいたからに他ならないからでしょう。

外国籍の人が日本に一定期間定住し仕事があれば、家族が増えたり、本国から家族を呼び寄せたりする可能性は十分あり得ますし、最初から指摘されていました。

次期衆議院戦の票集めのために支援者へ向けての発言でしかなく、現場で大変な思いをしながら頑張っておられる学校関係者、ことば支援員、日本語がわからない児童や保護者に対しての思いや思慮が一切感じられないのも、ある意味すごいなと感じました。

「外国人児童が急増する問題自体に対してもしっかりと歯止めをかける」という言い方も動画中に出てきましたが、「歯止めをかける」というのは、ある事柄の進行を抑えて、望ましくない事態の発生を防ぐという意味合いですから、外国人の子どものことをなんと考えているのかと、何とも言えない気持ちになりました。


イタリアでも移民としてやって来た外国人の子どもの問題は同じように存在します。

特に郊外に多い農業工業地帯では単純労働の仕事が見つかりやすいこともあり、家族のほとんどがイタリア語を理解できないような状況の子どもがたくさん学校にいます。

国や市などからの大きな支援もなく、その中で授業を成立させ、宿題を手助けし、きちんと進学できるようにすることは本当に大変なことです。

海外に住む日本人の多くの人には、自分も移民であるという自覚がない方も少なくないですが、何らかの事情で外国に住むことになった人たちを国や外見、経済状態などで分け、自分とは無関係と考えるのではなく、子どもたちのこのような状況だけでもできるだけ早く解決してもらいたいと願うばかりです。


こどもの  にほんご

nipponica イタリア・ボローニャ 幼児からの継承日本語クラス