真面目に反論してみます

上のリンク先を読んでいただけるとわかるのですが、いくらインターネット上の無料記事でもここまで内容の浅いのはいかがかと。

でも、誰でも読めるだけに、いい加減な内容を書かれると百害あって一利無しですから、ちょっと真面目に反論してみたいと思います。

個人の感じ方次第の面もありますし、ケースバイケースとも言えますので、恋愛についてはここでは触れません。国際結婚して20年以上の者として言いたいことはありますが、割愛します。

問題は、国際結婚のメリットとして最後に挙げられている、子どもがバイリンガルになるかも!?の部分です。

なりますか?自然に?

そもそも、どういうレベルの言語使用能力を指してバイリンガルと言っているのかわかりませんし、学者の間でもバイリンガルの定義には色々な主張がありますので、そこからもうダメダメと言う感じはします。

しかし、バイリンガルの中に自然になったケースは存在しないと思いますし、国際結婚でなくてもお子さんはバイリンガルになるケースもありますし、メリットと単純に言うのは、短絡的だと思います。これでは、子供をバイリンガルにしたいから国際結婚すると言う単純な思考の人が現れそうで、怖いです。

特に、「ママからは日本語、パパからは外国語で話しかけられることで、自然とバイリンガルになって行くというケースも多々あります。」と書いていますが、話しかけただけでバイリンガルになるのなら、補習校も日本語教育も必要ないですよね。

子どもに一生懸命日本語で話しかけても現地語で返事される親が、どれだけいることか。

どこの先輩がこんないい加減で無責任なことを言っているのでしょうね?


バイリンガルは自然になるものではなく、父と母が話しかけるだけではバランスの取れた二カ国語習得に達することはまずあり得ません。ある程度意識的に強制され、教育された上で成り立つものだと思います。それは日常言語と学習言語が違うものだからでもあります。

そして、バイリンガルには複雑に影響し合ったり補い合ったりして、四技能(話す聞く読む書く)の能力差が一人の中に必ずあると思います。もちろん総合的な能力は、個人差もかなりあります。

どこを目指すのか、どこまでを必要と考えるのかは各ご家庭の状況や方針次第ですし、どのようなバランスの能力に育っても、それを本人が納得していれば良いと思っています。

我が子と誰かを比べるものではありません。

子ども時代に習得できなくても、成人後に第二外国語として日本語を高度に習得する道もありますし、親が日本人だから子も必ず日本語バイリンガルにならないといけないわけでもありません。

世界中の色々な組み合わせのご夫婦に様々な言語能力の子どもが存在するのが普通です。

ただ、繰り返しますが、バイリンガルに自然になることは絶対にないです。例えば、アメリカで育った人が、日本語で簡単な挨拶ができることをバイリンガルと指しているなら別ですが。

記事は最後の文で「ママの努力次第で子供がバイリンガルになるチャンスは十分あります!」と逃げを打っていますが、「努力次第」という表現は「自然に」はならないことの証明ではないですか。

書いている人も自分で何を言ってるのかわかっていないのではないかと思います。

私たち日本人は、日本で生まれ育っただけで日本語がネイティブになったのではありません。日本で学校教育を受けたから、今この日本語レベルなのです。

日本に住んで日本の学校に行くことは自然なことですが、海外に住んで日本語の学校に行くことは自然にはできません。日本に住んでアメリカンスクールに通うことが自然にはできないのと同じです。目的を持って意識的に通うのです。

自然にバイリンガルにならないと実感しているからこそ、世界中の親が一生懸命に補習校や日本語塾、日本語サークル等に子どもを通わす方法を選んだり、努力と葛藤をしているのだと思います。

このようなお気楽な記事は、真面目に努力している親から見るといい迷惑です。

子どもが現地語と平行してかなり流暢に日本語を話している場合、必ず何か理由があります。母親が常に日本語で話しかける、毎晩日本語の絵本を呼んで聞かせる、現地語で返事をしたらさりげなく言い添える、日本に毎年帰国して体験入学を経験させる、日本語学習をこつこつ続けている、等々必ず何かの工夫と努力をしているはずです。日本語に触れる機会を作り、飴と鞭で日本語を勉強させ、家族の時間やお金を日本語のために割いているわけです。

それをママが日本人だから自然に日本語が喋れるようになるんだ程度の受け取り方をされると、内心この努力を一体なんだと思ってるの!となりますよね。

実際、私は娘が小さい頃にこれに近い反応や感想を言われたことは何回かあります。

「お母さんが日本人だから日本語も喋れていいわね」そんな簡単じゃないですよ。幼稚園で何十人がイタリア語だけ喋ってる中に一日の大半いるんですよ...

「毎年日本に帰るから日本語ができるのね」それだけじゃ足りないと思って必死なんですけど...


バイリンガルに育てることはかなりの努力と根気が必要で、どれだけ個人差があることなのかは、経験した人ならわかります。そして、今まさに継承語教育育真っ最中の方も、日々壁にぶつかったり、挫けそうになったりして実感しておられると思います。

子どもは自然にバイリンガルにはなりません。ならないといけないものでもありません。

でも、我が子になって欲しいなら、できる範囲でこつこつ努力あるのみです。







こどもの にほんご

nipponica イタリア・ボローニャ 幼児からの継承日本語クラス