手紙を書く

継承日本語を勉強している子ども達にとって、一番ハードルが高いのは書くことです。

面倒臭いなぁと言うだけでなく、なんで書かないといけないの!言うんじゃだめ?と憤ることさえあります。

特に、デジタル機器が発達した現在では、手書きで日本語の文字や文章を書く場面はごく限られており、海外で育つ子ども達が、なんのために書く練習をさせられているのかと思ってしまうのも尚更です。

でも、10年先の世界でも、ちょっとした季節の手紙や小さなカードを手書きで書くことはあるだろうと思いますし、受け取った方も嬉しくなる気持ちも残っていると思いたいです。

作文や日記を宿題にしていますが、時々手紙の形式にしているのは、手紙には相手があり、その人を思って書くことができるからです。空想の相手でも書くことが思い浮かびやすかったり、きれいな字で書こうと意識できたり、そういうことも考えています。

今回は、コロナ禍で2年以上日本に一時帰国できていないので、日本の親族やお友達に久しぶりにお手紙を出すという設定で書いてもらいました。

どちらの子も日本のおばあちゃんに宛てた手紙を書いてくれました。

きれいな便箋を使ったり、可愛い縁取りを描いたりと可愛らしく、また、しっかりとした字で丁寧に書いてくれました。

内容も手紙の基本を勉強していますので、親しき仲にも礼儀ありの丁寧な文体をきちんと使いながら、おばあちゃんのことを労わり、会いたい気持ちがよく表れていると思います。



バーバへ

お元気ですか。

Nちゃん、Hちゃん、Mのめんどうを見るのはきっと大変だと思います。

早くみんなの具合がよくなるといいですね。

私も早く日本へ行ってバーバの日本食がたべたいです。あと、ババ抜きも一緒にしたいです。

このあいだのボルダリングの試合では1位になれました。

他の試合でも1位になれるようにがんばります。

バーバはコロナにかからないように気をつけてください。お元気で。

        2022年2月1日              〇〇


2011年生まれ 女児


ババへ

おげんきですか。

さっぽろは、大雪で大へんそうですね。

わたしは、こんど日本に行ってババとかまくらと大きな雪だるまを作ってみたいです。

                           〇〇より

2014年生まれ 女児

こどもの にほんご

nipponica イタリア・ボローニャ 幼児からの継承日本語クラス