2020.01.21 23:00単一で純粋であるとは麻生大臣のこの発言をニュースで読んだ時に、何とも言えない気持ちになりました。明らかに間違った認識だと思うのですが、講演の場での発言である以上、このように考えておられるのでしょうし、それを支持する層もある程度存在するのだと思います。私がもし夫と結婚せずイタリアに住むこともなかったら、このような考えを支持したのだろうかと自問しましたが、日本の歴史を勉強すればこのような考えになるはずはないのではと思うばかりです。なんだかねぇと思っていたら、大変的確な指摘をしてくださった記事がありましたので、ご興味のある方はぜひお読みください。世界中のどの子も100%だし、どの子もお父さんとお母さんのハーフでミックスです。娘を育て、小さい生徒さんと毎週過ごすようになってより一...
2020.01.18 23:00温又柔「国語」から旅立って台湾人の両親と来日し、2才から日本で育った著者の自伝的なエッセー。台湾語と中国語が飛び交う家庭で育つも、やがて日本語が優勢になった著者が自分の気持ちを表す言葉は日本語だと自覚するまでの葛藤や心の揺れが描かれています。言語、国籍、政治の狭間でアイデンティティを確立させるまでの著者の心情や成長は、イタリアで育った娘の姿とも重なり、大変興味深く読みました。「たかが言語」「言葉は単なるツール」と言い切る人も少なくないですが、そうは言い切れない生い立ちや状況の人もまた少なくないことを身にしみて感じ、言語が単なるツーツならなぜこんなに自分の内面が支配されるのかと実感していますので、本当に読んで良かったと思います。著者が大学のゼミでリービ英雄さんの指導を受け、多和田...