1月最初のレッスンでは、日本のお正月の風習を感じられるような工夫をしてみました。
例年クリスマスは取り上げることがあっても、日本のお正月についてはあまり取り扱えていないので、冬休みの間に色々と準備をしていました。
教室入り口の扉に本物のしめ飾りを飾って、子ども達に実物を見てもらいました。
「あけましておめでとうございます」と入ってきた子もいて、お正月の挨拶もしました。
伝統的なシンプルなしめ飾りではなく、少しモダンなデザインのものでしたので、裏返して藁の部分をよく見せて、新しい藁で縄を作ってしめ飾りにし、お家の入り口に飾って新年を迎える風習をかいつまんで説明しました。
「クリスマスリースみたいね」と言った子がいて、「そうだね。綺麗に飾って、楽しいクリスマスが来るように、良い年が来るようにしてるんだね。」と話しました。
絵本は、「おもち」を選びました。
とても繊細な木版画で、固そうだったお餅がだんだんと柔らかくなっていき、美味しそうな焦げ目がついて、ぷくーっと膨らむ様子がとてもリアルに描かれています。
リアルなだけではなく暖かい感じが伝わるとてもきれいな絵で、好きな作家さんの一人です。
食べ物の美味しさと食べる楽しさや嬉しさが、子ども達の心にまっすぐ届くような、そんなすてきな絵本です。
「おもち食べたことがあるよ!」「美味しかった!」と、興味津々でおもちが焼けていく様子を楽しそうに見入っていました。
工作では、今年の干支にちなんだへびの飾り物を作りました。
今年は巳年であることを話し、日本のお正月の縁起物(松、梅、小判、鈴など)についてもわかりやすく説明をしました。
かわいらしい飾り物を上手に完成し、お部屋に飾ると言って持って帰ってくれました。
工作の時間は楽しいだけではなく、日本語の説明を聞いて、正しく理解し作業するという日本語の活動の実践でもありますので、説明は全て口頭で日本語のみで行い、図解や これ、こうする、こんなふうにというような抽象的な説明はしないように心がけ、子ども達からの質問や確認なども全部日本語でやりとりしています。
例えば、切り抜く、貼る、合わせる、押さえる、乾かす、止める、裏と表、両方、接着剤など、家庭内ではあまり使わない語彙も意識して提示します。
辞書を丸暗記するような記憶方法がまだ無理な子どもの場合は特に、実際の経験を伴うことによって、新しい表現や語彙を体感として習得していくと実感していますので、工作の時間はそれを意識して行っています。
次に、お迎えまでの時間にカルタ取りをしました。
アンパンマンのひらがなかるたを使い、年齢の近い子同士だったこともあって、なかなかの戦いぶりになり白熱しました。
相手に負けないように真剣に取り札を見つめて正しいひらがなを瞬時に判断するのは、ある程度しっかりとひらがなの読みを覚えた子には、とても面白い遊びの一つになり、絵札が取れた時に大きな達成感があるようです。
小さい子は、私が読み上げた読み札をきちんと集める係をしてもらい、読み札を1枚ずつ見て、ひらがなの音と文字を一致させ確認しながら一緒に進めて行きました。
最後に、一人ずつお年玉を渡して、日本のお正月気分を少し演出して終わりました。
日本のポチ袋を使って、できるだけ本物らしい感じを演出してみました。
子供の頃お年玉の中身も嬉しかったのですが、可愛いポチ袋も毎年楽しみだったことをよく覚えていますので、イタリアでも普通にある白封筒などではなく、ぜひポチ袋でと考えて、早めに集めておきました。
お年玉を日本でもらったことがある子もいて、お年玉だーと喜んでくれました。
中身は大したことないのですが、お年玉はやっぱり良いものですね。いつか大きくなって、こんなお年玉のこともお正月に思い出してくれたら嬉しいです。
日本ならではの風習を実行するのは、材料や素材の段階から難しいことも多いのですが、できる範囲で、子ども達にわかりやすくを心がけてみました。
今年一年みんな元気で良い年になりますように。
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