継承語として日本語を学ぶ子どもたちが一番苦労するのは、やはり漢字です。
話す聞く読む書くの四技能の中で、一番ハードルが高いのもやはり書くことだろうと思います。適度なスピードで受け答えをして日常会話ができる子どもでも、作文となると、なかなか思うようにすらすらと書けないケースは少なくないと思います。
スマホやパソコンなどデジタル機器が普及し、手書きで文字を書く機会は減っているのも事実で、それなら尚更、継承語を学ぶ子供は漢字は書けなくても読めさえすれば良いのでは?という主張も一定数あります。
泣きながら毎日漢字の書き取り練習をする必要はないと思いますが、全く書かないで読めるようになるのかというのは、私はずっと懐疑的です。
ディスレクシアやその他の特性によっては、書字作業が極端に負担になるケースもありますので、そのような特性の子どもにはその子に応じた練習を考えるのは当然ですが、定型発達の子どもにはある程度書くことも必要で、そうでないと漢字の読みさえも覚えられないのではないかと思っています。
「今から10分間この漢字を見て覚えてください。」とテストをしたら、ある程度正答する子どももいると思いますが、2週間後、3週間後もその漢字を記憶しているかどうかは疑問です。フォトリーディングと呼ばれる記憶能力があって、見ただけでかなりの量を記憶できる人もいるとは思いますが、普通の人は、じっと見ただけで長期記憶に残るものは少ないのではないでしょうか。
そんなことをずっと考えているわけですが、先日上記のような記事を読みました。
日本で育った大学生を対象にしたデータで、継承語を学ぶ海外在住の子供たちにそのまま当てはめられない可能性もありますが、理論としては納得できると感じます。
漢字に限らず、学習というのは全て積み重ねだと思うので、面倒だからやらない、量が多くてしんどい、時間が足りないなどの理由で、まるで無駄であるかのように、ある範囲だけを切り捨てられない面が多分にあるのではと感じています。
日本語で書くことも大事にして、適切な練習を考えていきたいものです。
少しでも上手に漢字と付き合っていくことが、日本語を理解し親しむ道にもなるようにと願っています。
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