第二言語・継承語・バイリンガル習得について

第二言語・継承語・バイリンガル習得について:研究:Chuo Online : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

トップ>研究>第二言語・継承語・バイリンガル習得について平川 眞規子【略歴】平川 眞規子/中央大学文学部教授 専門分野 言語学、第一・第二言語習得、英語教育 この地球上に、バイリンガルとして育つ子どもの数は、モノリンガルとして育つ子どもとほぼ同じぐらいいると考えられています。2つ以上の言語を話す人々の研究は、人間に備わっている言語獲得能力の可能性や限界の解明に繋がると言えます。以下では、平川研究室で行っている最近の研究概要をお伝えします。 私たちの研究チームでは、中国やフィリピンから来日し、日本に在住する子どもやおとなを対象に、様々な言語知識を調べています。法務省の統計によると、2015年12月時点で、日本に中・長期在住する外国人数は223万人を超えています。特に中国(約66万人)やフィリピン(約23万人)国籍の人が多く、今後もグローバル化に伴い増大が見込まれています。しかし、在留外国人の継承語の保持や第二言語の習得に関する認識は、欧米諸国に比べ日本では未だに低く、年少者を含めた継承語や第二言語の習得に関する理論的・実証的研究は不十分な状況です。ここでの継承語とは、主に家庭で親から子へと継承される言語を指します。継承語話者は家庭外では社会の多数派言語を使用しながら育つため、継承語を司る能力は親のレベルに達しないことが多いのです。私たちの研究対象とする子どもの多くは、家では家族と中国語またはタガログ語(フィリピン公用語)を話し、学校や家庭外では日本語を使用しています。家庭内という限られた環境での言語使用が、継承語の保持にどのような影響を与えるのか、また継承語が第二言語である日本語の習得にどのような影響を与えるのか、こうした研究課題に私たちは言語学的なアプローチで取り組んでいます。 例えば、日本語・中国語・タガログ語では、主語、目的語、動詞の語順が異なります。タガログ語は複雑なので、ここでは日本語と中国語、さらに英語の関係節を例にして考えてみます。日本語の語順は「主語—目的語—動詞」、中国語は英語と同じ「主語—動詞—目的語」です。しかし、関係節で名詞を修飾する場合、日本語と中国語では「関係節—名詞」、英語では「名詞—関係節」となります。中国語のパターンは、英語的な要素と日本語的な要素の両方を持ち合わせていることが分かります。日本語: [ 女の子を 追いかける ] 男の子

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